アドエスでWindows Mobileアプリをリモートデバッグする方法
Visual Studio 2005 と Windows Mobile 端末である Advanced W-ZERO3 [es](以下、アドエス)を接続して、ソースレベルデバッグ(コールスタック、トレース、変数・メモリウォッチなど)をリモートで行う方法です。以下に手順を記述します。
※未確認ですが、アドエス以外の機種でもデバッグできると思います。
事前準備
- Windows XP/Vista に Visual Studio 2005 と Windows Mobile 6 SDK とデバイスセンター(または ActiveSync)をインストールし、プロジェクトのデバッグ環境を作成しておく。
Windows Mobile 開発環境の構築方法
- デバッグ対象となるアプリケーションやDLLはデバッグ版(プログラムデータベースの作成を有効にするなど)でビルドしておく。
ActiveSyncの設定と接続
- USB接続でActiveSyncが使用できるように設定する。
アドエス側で、[設定]メニューの[接続]タブの[USB接続]を開き、PCと同期する(ActiveSync)と高度なネットワーク機能を有効にするを設定する。
- USB ケーブルでデスクトップ PC とアドエスを接続する。
すると、タスクトレイアイコンから「デバイスをインストール中」とポップアップメッセージが出て、しばらくするとデバイスセンターのウィンドウが出現する。デバイスのセットアップは行っても行わなくてもどちらでも良い(同期をキャンセルして構わない)。
[接続の設定]を開いて、[USB接続を有効にする]にチェック
※ここまでは通常のデバイスセンター(ActiveSync)接続と同じ。
Visual Studio 2005の設定
- デバイス接続の設定
Visual Studio 2005のメニューから、[ツール]->[オプション]を開き、[デバイスツール]->[デバイス]ページで、[デバイス]リストから "Windows Mobile 6 Professional Device" を選択し、[プロパティ]を開く。
- プロパティで、[トランスポート]が "TCP接続トランスポート" であることを確認する。
- [構成...]を開き、"ActiveSyncを使用して IP アドレスを自動的に取得" が設定されていることを確認する。
- 配置場所の設定
自作したプロジェクトのプロパティを開き、[構成プロパティ]の[配置]で、[配置デバイス] を "Windows Mobile 6 Professional Device" にする(ツールバーの[ターゲットデバイス]で選択するのと同じ)。
また、アドエス内のどこにプログラムを置くかを [リモートディレクトリ]に指定する。(配置場所にDLLや画像などの必要となるファイルもコピーしておくこと)
※自分はmicroSD上でデバッグしていますが、内蔵メモリに配置することもできます。
- デバッグターゲットの設定
前述と同じく、プロジェクトのプロパティを開き、[構成プロパティ]の[デバッグ]で、[リモート実行ファイル]に、2. で設定した配置場所のパスにプログラムファイル名を付けて指定する。
デバッグ
- ターゲットデバイスの選択
ツールバーの[ターゲットデバイス]で "Windows Mobile 6 Professional Device" を選択する。
- デバッグの実行
Visual Studio からデバッグ実行すれば、アドエス側でアプリケーションが起動して、ブレークやソーストレース、ウォッチなどが行える。
※上記説明は確認程度になると思います。ActiveSync接続ができて配置先に必要なファイルが存在していれば、比較的容易にデバッグできると思います。